株式会社ログノート
お問い合わせ
menu

コラム / その他

レシート管理はラクにできる!経費精算を効率化するための方法

領収書をスキャンしている画像

事業者にとって、レシートをきちんと管理することは会計や税務処理を適切に行うために重要な業務です。しかし、個人と比べてレシートの量がはるかに多いため、管理の手間や保管場所の確保に悩んでしまうケースも少なくありません。

電子帳簿保存法の改正によって、紙のレシートを電子データで保管することが認められるようになったことで、管理の効率化が期待されています。この記事では、電子データで保管するメリットや経費精算に役立つアプリなどをご紹介します。

レシートの役割と重要性

経費精算で電卓を叩いている画像

まずは、レシートの基本的な仕組みについて、役割と重要性、領収書との違いなどから確認しておきましょう。

レシートとは

レシートは商品やサービスの代金を支払ったことを証明する用紙です。レシートがあることで、経費の精算や支出の管理が行えるため、経理業務においては基本となる書類でもあります。

レシートの主な記載内容は、発行者名、発行日、金額(消費税)、品目などであり、支出の管理に必要なデータは一通り記載されています。

レシートと領収書の違い

厳密に言えば、レシートと領収書にはいくつかの細かな違いがあります。たとえば、領収書には宛名や但し書きがある一方で、商品の明細は記載されません。

それに対して、レシートには品目などの明細な記載されているものの、宛名や但し書きは記載されません。ただし、購入した事実の証明力という点では、どちらも大きな違いはありません。

なお、インボイス制度の導入によって、レシートや領収書は「適格簡易請求書」と呼ばれます。適格簡易請求書として、レシートや領収書が法的な効力を発揮するには、次の5つの項目が盛り込まれている必要があります。

  • 適格簡易請求書を発行した事業者の氏名あるいは名称と登録番号
  • 取引が行われた日付
  • 取引に関する資産や役務の内容
  • 取引の税抜き価格あるいは税率ごとに区分けして算出した価格
  • 取引でやり取りがあった金額のうち区分した消費税額あるいは適用税率

適格請求書を発行しなければならない事業者のうち、適格簡易請求書の発行が認められている業種として、小売業や飲食店などが挙げられます。多くの来店客とやりとりを行う業種では、インボイス制度が導入されると適格簡易請求書の要件を満たしたレシートや領収書を発行する必要があるので注意しましょう。

一見すると、印字のレシートは手書きの領収書よりも証明力が劣ると考えられがちな面もありますが、必要な内容が記載されていればきちんと経費精算に利用できます。なお、インボイス制度ではクレジットカードの利用明細書を保存するだけでは適用要件を満たさずに、仕入れ税額控除を行うことができません。

3万円未満の決済についても、インボイスの記載項目を満たした領収書などが必要になるので注意しましょう。

レシートの管理方法と電子データでの保管

パソコンで経費精算データを確認している画像

経理業務をスムーズに進めるためには、レシートの効率的な管理が不可欠です。ここでは、レシート管理に関する基本のルールと管理方法、電子データで保管するメリットを解説します。

レシートには保管義務がある

原則として、法人の場合は確定申告が済んでからも「7年間」はレシートや領収書を保管する義務があります。注意しておきたい点としては、発行日から7年間ではなく、法人税の申告期限の翌日から数えて7年間と決まっています。

また、事業の赤字を繰り越す場合には、レシートや領収書の保管は「10年間」となるので注意しておきましょう。さらに、消費税の仕入れ税額控除を適用する場合には、白色申告・青色申告にかかわらず、7年間の保管義務があります。

白色申告や一部の青色申告では、レシートや領収書の保管期間が5年となっていますが、仕入れ税額控除の適用を受けているときは7年間の保管義務を負います。取引が多い法人では、レシートもそれだけ膨大な量となるため、適切な管理システムが必要です。

このときに注意しなければならないのが、「紛失」と「印字消え」のリスクです。紛失を避けて、必要なタイミングで必要な資料を提示できるように、ファイリングをしたり、封筒に入れたりしてきちんと管理しなければなりません。

そして、感熱紙を使ったレシートは、歳月に経過によって印字消えしてしまうリスクがあるので、高温多湿を避けて保管する必要もあります。

電子データでレシートを保管するメリット

前述のように、紙のレシートや領収書は管理に手間がかかり、量に応じて保管スペースも必要となります。しかし、電子帳簿保存法の改正によって、一定の要件を満たせば電子データでレシートを保管できるようになりました。

なお、電子帳簿保存法で認められている電子データの保存区分は、次の3つが挙げられます。

  • 電磁的記録での保存
  • 紙データをスキャナで保存
  • 電子取引データの保存

電磁的記録での保存とは、パソコンで作成したデータを保存するものであり、クラウドサービスを利用してサーバーに保管したデータも該当します。紙データをスキャナで保存する方法はデータの改ざんを防ぐ目的から、システム要件などが設けられています。

2022年1月に電子帳簿保存法が改正されたことで、領収書への自署は廃止され、タイムスタンプの付与までの期間は約70日となりました。そして、電子取引データの保存では利用者がデータを改ざんできないクラウドサービスを利用していれば、タイムスタンプは不要です。

電子データで保管することによって、レシートの紛失を回避したり、印字が消えて読めないといったことが回避できたりするのはもちろん、ペーパーレス化によって、不要なファイリングを減らせるのがメリットです。また、データベース化しておけば、調べたい情報をすぐに検索できるため、整理整頓もスムーズに済みます。

経費精算アプリも活用してみよう

経費精算アプリとは、スマートフォンやタブレットなどで手軽に経費精算が行えるアプリのことです。自動でデータの取り込みや仕訳を行ってくれるため、管理・集計の作業が大幅にラクになります。

また、出先での手続きも可能になるため、外出が多い部署での申請漏れを防止することも可能です。ここでは、主な経費精算アプリとして3つの代表的なサービスをご紹介します。

「TOKIUM経費精算」は、申請から承認までのすべてをスマートフォンで完結できるアプリであり、従来の10分の1の時間で経費精算を行える手軽さが魅力です。料金体系は基本料金+領収書の件数に応じた従量課金制となっていますが、利用できるユーザー数は無制限です。

「マネーフォワードクラウド経費」は、中小企業から大企業まで幅広い事業規模に合わせてカスタマイズできる柔軟性が魅力となっています。コーポレートカードやスマホ決済、電子マネーなどの幅広い決済方法に対応しているため、社内のキャッシュレス化を進めやすのも特徴です。

「SAP Concur」は、企業固有の経費規定を設定できるのが特徴であり、規定を守らない申請は自動的に差し戻しされる仕組みです。その結果、経理業務の負担をさらに軽減できるのが強みとなっています。

経費精算・会計管理には電子レシートも活用

領収書の画像

「iReceipt」は、ログノートが提供する電子レシートプラットフォームサービスです。iRecieptは多様な電子レシートを一元管理し、多様な場面で手軽に活用していくためのサービスです。

紙の利用量減少による環境負荷の低減、文字の大きさを自由に変えられることで実現できるバリアフリーなど、日常のさまざまな面からサスティナブルなレシートの普及を推進しているのもiRecieptの主要な取り組みです。電子帳簿保存法にももちろん対応しており、今回ご紹介した経費精算アプリともスムーズに連携できます。

紙のレシートをスキャンする手間がかからず、面倒な手続きも不要なため、経理業務の効率化に向けて導入を検討してみるのもおすすめです。

まとめ

レシート管理の効率化は、経理業務において重要な課題の1つです。そのうえで、紙のレシートは紛失や印紙消えのリスクがあるため、保管には細心の注意を払わなければなりません。

そこで注目されているのが、電子データによるレシートの保管です。電子データ化していれば、必要な情報をいつでもスムーズに取り出せるため、管理の負担を大幅に減らせます。

さらに、経費精算アプリを活用すれば、申請・承認・管理の手間をまとめて削減できます。経理業務の効率化が課題になっている場合は、導入を検討してみると良いでしょう。